2018年01月29日

コンペやプロポーザル

コンペやプロポーザルという方式は、入札で設計者を決めるよりも良い方法だとは思う。安い設計料を提示したほうが仕事を得るのではなく、よい案や取り組み姿勢が評価されて設計者が選定される方が正しい。

けども、その方法にも問題はある。

無論、誰でもが応募できる状態(資格者や実績が問われる)なのは安全ラインの確保として致し方ないことだとは思うが、短い応募期間で提出した案が、確実に問題なく完成できるものとして責任を問われるのは困る。そんな簡単に建築はできない。設計作業というのは多くのトライアンドエラーを繰り返しシミュレーションするものだ。同じものを繰り返し作るわけでもない限り、初案ですべての問題に応えるのはできない。しかも、無償で。多くのコンペは無償である。アイデアをタダで提供する危険性はある。

コンペやプロポってのは「挑戦」をすべきものであり、そこのリスクは当然あるものなのだが、設計者の置かれる状態が危険なものも多い。そのため、リスクを減らす応募方法も確立されてくる。一度応募した案を、他のコンペに応募するのだ(発展改良させて)。当然のことかもしれないけれど、別の敷地に建ち、別のプログラムであるコンペに、以前応募した案を流用するのもいかがなものか?いやしかし、かなりのエネルギーを費やした案が落選したときの行き場のない状態(金銭的にも)もいかんともしがたい。

ルールや仕組みというのはないといけないのかもしれないけれど、発注者と設計者の関係性があってこそのルールだと思う。選ばれた設計者の選ばれた理由、選ばれた案の秀でた理由、そういった本質的な部分を共有して、建築プログラムを良い方向に取り組む体制が必要だ。

何か問題が起きた時に、設計者はいつでも危険にさらされる。建築のリスクは多い。いかにそれを解決しながら、それでもなお、前に進まないといけない。エネルギーがいる仕事だ。

コンペやプロポーザルの唯一の可能性は開かれた場所であること。それだけは歪めてはいけない。


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